Episode 0832026年8月18日4ページ
ホテルの玄関灯と、聞かなかった説明の代償
消えない灯りに振り回され、三分待つことを覚えた夜
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漫画に入りきらなかった話
出張先のホテルで寝る前、私は家にいる娘たちとビデオ通話をしました。二人はもう布団に入り、眠そうな顔で手を振っています。通話を切ると急に部屋が静かになり、いつもの就寝前のにぎやかさが少しだけ恋しくなりました。明日も予定があるので、早く眠ろうと枕元のスイッチで照明を消します。
ところが、玄関の近くにある灯りだけが残りました。部屋の入口がぼんやり明るいと、寝るには気になるものです。私は別のスイッチがあるのだと思い、暗がりの中でドアの横、クローゼットのそば、ミニ冷蔵庫の上を順番に探しました。しかし、消灯用らしいものはどこにも見つかりません。
ここで思い出したのが、チェックインのときのフロントの申し出です。初めての利用なので部屋を説明しようかと聞かれたのに、夜遅くて眠く、だいたい分かるだろうと断っていました。設備に不慣れなときほど、その短い説明には理由があるのかもしれません。断った直後には気づかず、困ってから思い出すのが少し可笑しいところです。
探しているうちに、入口の近くに小さな案内があることに気づきました。玄関灯はセンサー式で、三分待つと消える仕組みでした。壊れていたわけでも、見つけられないスイッチがあったわけでもありません。人が動かなくなったことを設備が受け取り、少し時間を置いて明るさを落とすようになっていたのです。
分かってしまえば、私に必要だったのは新しい操作ではなく待つことだけでした。それでも暗い中で探したあとでは、あと二分が妙に長く感じます。やがて玄関の灯りが消え、部屋全体が同じ暗さになりました。眠ろうとしていたのに、灯りとの格闘で目がしっかり覚めてしまったのも、この夜らしい結末です。
次に知らないホテルへ泊まるときは、フロントの説明をちゃんと聞こうと思います。もし聞きそびれても、すぐ故障や自分の見落としと決めつけず、まず少し待つ選択肢もあります。案内がある場所を確認し、設備が自動で変化するまでの時間を落ち着いて見守れば、夜中に余計な操作を増やさずに済みます。眠い時間ほど、急いで結論を出さないことも大切です。家から離れた静かな部屋で、小さな灯りに振り回されながら、私はまた一つ知らない仕組みを覚えました。
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